日本語 English Hello. Login

WISTORY

WISTORY is Useful Tool for Wine-Lovers!

WISTORY Master's Voice/その他 WISTORY wine database INDEX

管理人コラム

日記デザイン

ソムリエと薬剤師

CATEGORY:その他

2015-07-10

写真


実は夏風邪というか夏インフルというか、喉が痛くて咳が出て直らないので医者に診てもらいました。案の定、症状を聞いてちょっと聴診器をあて、喉の奥を見て「真っ赤ですね」などと言われ、薬を処方してくれました。

そいでもって、隣の薬局へ行き薬をもらう(買う?)わけですが、私、いつも困るのが「ジェネリックにしますか?」と聞かれた時の答えなのです。いいのか悪いのか分からん!じゃないですか?

それで、「いいのか悪いのか判断の基準がないので、何か判断できる材料を示してもらませんか?」と言ったわけです。

そしたら薬剤師さんはジェネリックとはみたいな一般論を述べ始めたので、「それは知っているけど、じゃあ今回の薬の場合は、ジェネリックとそうでないのでどう違うんですか?」と聞いたら、全く答えられないのです。

薬剤師とソムリエは、分野はちがいますが、一般生活者から見たらその道の専門家であり、アドバイザーであり、よく似た役割だと思っていたのですが、実態はどうも違うようです。

■ 最近のソムリエさんはかなり優秀

薬の数も多いですが、ワインの種類もそれに負けないくらい多いですよね。

店の品ぞろえに関してはまあいろいろ注文したい事はあるにせよ、最近、お店でソムリエさんに質問をすると、ほぼほぼまともな回答が返ってきます。あまりいい加減なことをいう人はいなくなりました。

また、自分が答えられない場合は先輩ソムリエに聞いたり、本をめくったりして必死で答えようとしてくれます。

奇妙な要望でない限り、そこそこ真摯にお客の要望に応えようとしてくれるし、そんなものはないという場合は、ないと言ってくれます。

それにひきかえ、薬剤師はどうなっているのでしょう?

■ 医薬分業を本気でするなら、もっと勉強して欲しい

医薬分業とか言って、面倒なことにお医者さんの建物とは別の所に薬を買いに行き、お医者さんで書いたのと同じことを書かされ、顧客にとっては何のメリットもありません。何でも、医院や病院の中に薬局を置いてもいいことに法律を変えるらしいですね。

しかし、医薬分業という基本方針が無くなるわけではないようです。

ジェネリックは医療費を削減するための国の政策なので、薬剤師さんは気の毒と言えば気の毒なんです。言わば、国民が贅沢しすぎないように、ボルドーの○○に似たチリのカベルネ・ソーヴィニヨンを奨励するようなもので、当然利益も減るわけですからね。

ジェネリックに関してはまだ歴史が浅いという問題もありますね。だから、薬剤師さんも、もちろん認可している厚生労働省も十分な情報を持っていないのです。

けれど、薬剤師は現場で患者さんに答えないといけないのですから、もっと前向きに勉強すべきだと思います。少なくとも「今回処方されているお薬は、それぼど難しい薬ではないので、ジェネリックでも問題ないですよ!」くらいなことは言ってほしかった。もしくは「この貼り薬はジェネリックも有効成分は全く同じですが、基材がちがうので、ジェネリックの方は少し剥がれやすいです」とかね。

それを言ったらお役所に叱られるのかも。だとすれば役所がおかしい。

■ 「お客に選ぶための材料を提供する」ということですね

お客にもいろいろなレベルの人が居て、相手を見て、話を聞いて、要望に合うワインを勧める・・・という意味で、ソムリエさんには優秀な人が増えてきていると思います。

薬剤師さんは過去は患者さんに選ぶための材料を提供する必要が無かったので、ジェネリックが登場しても昔の感覚でやっているのでしょう。でも違うんですよ! 多少知識のある患者なら、聞きたいことは山ほどあるんです。怖いと思っているポイントも違うだろうし、もし患者が間違った情報を信じているなら、それをただすのも薬剤師さんの役割だと思います。


日記デザイン

世界遺産狂騒曲 ~シャンパーニュもブルゴーニュも~

CATEGORY:その他

2015-07-08

写真


日本では例の軍艦島を始めとする「明治日本の産業革命遺産」をめぐって、韓国との駆け引きが話題になっていた、あの2015年7月の世界遺産委員会で、シャンパーニュとブルゴーニュのぶどう園なども世界遺産として承認されたそうだ。

世界遺産になると、観光面でメリットがあるのは確かだけれど、はたしてシャンパーニュやブルゴーニュはどのような思惑で世界遺産を目指したのだろうか? 真相を私は知らない。けれども、新興の産地がどんどん力をつけて来るだろうことが明らかな中で「本家」を主張し、権威づけをするのに世界遺産は良い手かも知れない。

シャンパーニュもブルゴーニュも現在進行形のワイン産地・ワインビジネスの拠点であるとともに、長いワイン造りの歴史を生き抜き、最高と称賛される製品を生み出し続けているのだから、今後ともその実力と地位を守り続けてほしい・・・という意味で、世界遺産となり、自他ともにその価値を分かち合い、維持・向上するのはいいことだと思う。

それに引き替え我が日本の酒処・灘五郷は阪神淡路大震災で多くの古い蔵が崩壊し、清酒需要の縮小もあって、蔵のあとに量販店やマンションが建ち、昔の面影は薄らいでしまったのが残念だ。


日記デザイン

ロゼの立場・・・そして可能性

CATEGORY:その他

2015-04-13

写真


シャンパーニュなどの発砲ワインならロゼは華麗な色彩で厚遇されるのに、普通のワインのロゼはあまりもてはやされることなく、特に日本のようにワイン文化が未熟な国では冷たい扱いを受けているように思えます。

しかし、私が知らないだけなのかも知れませんが、ロゼワインはいくら頑張っても当サイトの点数(10点満点)で7点がいいところで、それ以上を望むなら、色はロゼでも造り方を根本から変える必要がありそうです。

突き詰めると「ワインをどう評価するか」という問題に突き当たります。現在、偉大なワインと呼ばれるワインは、①香りが豊かで、②味に奥行きがあり、③全体としてのバランス(酸・糖・タンニンなど)が良い・・・そういうものです。

現在のロゼで③を満たすものは沢山ありますが、①と②はなかなか難しいですよね。

飲み手が何を求めているかはちょっと横に置いておいて、ワインビジネスの世界では、少しでも高く売れるワインを造ることが優先され、それならばロゼなんかより赤や白に力を注いだ方が効率がいいということになりがちかと思います。

飲み手ということになると、飲み手にもいろんなタイプの人がいて、はなからロゼなんて相手にしない人もいるだろうけれど、私などは選択肢の一つとして、ロゼも楽しみたいと思っている。前に書いたことがあるんだけれど、日本人だから和食も食べるわけで、あの甘ったるいすき焼きなどという料理にはロゼが案外合うのです。

西洋料理にはすき焼きのような甘ったるいシロモノがないので、欧米の批評家がロゼとすき焼きというマッチングを心底理解するのは難しいでしょうね。

前出の①②③拍子が揃ったロゼというのは、果たして可能だろうか? また、そういうロゼが依然としてすき焼きに合うだろうか?

私が思うには、技術的には可能だけど、少しすき焼き向きにはならないだろうということです。

もちろんワインの世界も日々動いているし、偉大だといわれるワインに近づければいいのだという時代も過ぎたわけで、激しい競争の中でロゼに目をつける生産者が現れても不思議はないと思うのです。過去ロゼを好んだ王侯貴族もいたわけですから、ピンクで愛らしいアイドル的な立場に留まらず、赤や白と勝負できるロゼの出現に期待したいと思います。


日記デザイン

日本料理の季節感

CATEGORY:その他

2015-03-02

写真


私事ですが、昨日は法事で、西宮のお酒「白鷹」がやっている竹葉亭で食事をしました。お手頃会席料理です。

3日後が雛祭りということもあり、店内にはかなりクラシックな巨大なお雛様が2種類飾られていました。おそらく、オーナー家のコレクションでしょう。

そして、お料理の最初は、写真のようなお雛さまの器が使われていました。この他にも、お椀は梅の柄でしたし、最後のデザートも梅の形をしたガラスの器でした。(雛祭りは本当は桃なんですけど、いいことにしましょう)

造り酒屋は地元の名士で、旦那さんは粋をわきまえた方なので、やはり季節をしっかりと演出する料理の出し方をしようとしてくれています。現代の・・・というか、欧米式の経営学的にいうと、無駄この上ないこういう演出が、日本人には嬉しいですよね。

食材も、たけのこ、しらうお、なのはななど季節を先取りしたものが使われていました。そして、最後にはウナギ。このウナギでもって、コースの栄養バランスは素晴らしいものになっています。

造り酒屋さんが営む料理屋なので、お酒の飲める人は当然ここのお酒を飲んでいましたが、その提供の仕方も小粋な片口とガラスの小さいぐい飲みでした。


日記デザイン

淡路島で見た白亜紀の地層

CATEGORY:その他

2014-12-24

写真


ワインのテロワールの記述に、石灰岩などの母岩の上に川が運んだ堆積層があって・・・という様なのがよくあるが、都会生活をしている我々にはもう一つピンとこないものだ。ぶどうの根は堆積層を貫いて岩盤に侵入し云々。

この21日と22日に淡路島へ行った時、とても分かりやすい光景を目にした。

■ 中央構造線の北沿い = 淡路島の南海岸

淡路島は大きい島で、本州側から眺めるとなだらかなイメージがあるものの、実際に行ってみて海岸沿いを一周すると、案外険しいと感じるものだ。広い砂浜などはほとんど無い。西海岸の道は港沿いの海面に近いところを走っていたと思うと、すぐに岬の後背地の峠に上り、また降りての繰り返しである。そして、南海岸の水仙郷で有名なあたりは断崖絶壁の麓に道路が通っている。もちろん大鳴門橋があって有名な渦潮が起こるあたりは非常に険しい地形である。

このあたりの地層は「和泉層群」と呼ばれていて、7000万年前の中生代白亜紀後期、海底にたい積した砂岩や泥岩、れき岩、凝灰岩からできたたい積岩の地層だそうだ。なので、このあたりでは沢山のアンモナイトなどの化石が発見されている。

■ 岩盤の上に生える木々

黒岩水仙郷のあたりの上部はしっかりと木々が覆っているが、木が地上部に出始める部分と岩盤の間に砂などで出来た分厚い堆積層はほとんど見当たらない。おそらく岩の少しの隙間に草などが生え、さらにはそこに樹木の種が飛んできて根を下ろし、岩の隙間で根が太くなってヒビが入り…というようなことが繰り返された結果、現在では木々が岩の上にぎっしりと繁茂している。けれどもそういう場所だから、耕作には向かないし、植林にすら向いていないようだ。野生のサルや鹿もいた。

長年の植物による風化、雨や波や海風、太陽の照射などが繰り返されて、断崖の所々は崩壊している。

フランスの多くのぶどう園は、ここよりはもう少し砂利などの堆積層が厚いところに開かれているケースが多い。

■ 白亜紀といえば

そう、ロワールやシャンパーニュは白亜紀の地層だ。両地は現在は内陸部にあるが、ここ日本ではこのように今も海近くにある。


TITLE INDEX

(その他)



2015-07-10
ソムリエと薬剤師


2015-07-08
世界遺産狂騒曲 ~シャンパーニュもブルゴーニュも~


2015-04-13
ロゼの立場・・・そして可能性


2015-03-02
日本料理の季節感


2014-12-24
淡路島で見た白亜紀の地層


2014-12-18
ブレンドのお話


2014-10-08
シャンパーニュの中の3つの産地


2014-10-01
Tilleul シナノキの花のアロマとは?


2014-09-22
衝撃的だったPicpoul de Pinet


2014-07-10
情報は幅広く仕入れねば・・・



CATEGORY INDEX



ワインの成り立ち (17)


造り手・ワイナリー (8)


ワインと料理 (15)


ワインの科学 (9)


ワインショップ (27)


ワイン周辺ツール (4)


レストラン/ワインバー (19)


本・テレビ (33)


データ分析 (19)


ワイン以外のお酒 (6)


その他 (118)


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24


Rules to Use Guidelines to Use Privacy Policy

Copyright(C) WISTORY