

酸化防止剤無添加表示の流行とマスプロダクツ
2011-10-11

先日、勇気を出して?コンビニで売っているワインを買ってみました。「酸化防止剤無添加」とラベルに大きく表示されたワインですが、飲んでみると不思議な味がしました。海外から濃縮果汁を輸入して、それを原料に造ったワインです。
一昨日も、某スーパーへ買い物に行くと、別の「酸化防止剤無添加」ワインが数種類売られていて、中には『元祖』などとうたったものもありました。
■コンビニや大手スーパーではマスプロダクツである必要がある
コンビニや大手スーパーなど、全国で数十・数百店も展開する業態で扱う商品は、大量生産・大量流通が可能なマスプロダクツである必要があります。お客さんからしてみれば、どの店に行って
もいつものアレが買えることが大切であり、チェーン店を運営する側からすると、効率よくより多数の店舗に配荷できたり、各店からの要請に対応して安定的に商品を提供する必要があります。
ですから、年間世界中で1万本しか出荷しないような商品はコンビニや大手スーパーで流通させることができません。ですから、自ずと大手メーカーが大量に生産した商品になってしまうんです
ね。ちょっと考えたらわかることなんですが、今更のようにその事に納得しました。
■サントリーやアサヒが供給
コンビニや大手スーパーにワインを入れているのは、サントリーやアサヒなどビールメーカーを中心とした有名企業です。
彼らは流通において熾烈な棚取り競争を演じており、ワインの棚も彼らの戦場なんですね。
そこで生まれて来たのが「酸化防止剤無添加」なるカテゴリーなんですね。ビールやチューハイで繰り広げているマーケティング手法と同じ手口をワインにも持ちこんでいる。
「生絞り」などのうたい文句と同じように、「酸化防止剤無添加」といううたい文句を乱用しているわけですね。
「もしかしたら、こっちの方がいいかも・・・」という消費者心理を突くという手法です。
■そこまでしてワイン棚で戦う必要があるのか?
これは飲み手側の論理なんでしょうが、濃縮果汁を輸入して水で薄めて造ったワインもどきのアルコール飲料をわざわざ造って棚に並べる必要があるんでしょうかねえ?
ただ、売り手側の論理では、こっちの方が儲かって消費者にもわかりやすいということだろうと思います。
■缶コーヒーはレギュラーコーヒーとは違う飲み物
缶コーヒー好きの人はこう言います。缶コーヒーという別のジャンルが大きいマーケットとして存在するワケです。
それと同じように、コンビニワインというような新ジャンルの商品だと思えば、今コンビニや大手スーパーで売っているワインもどきのモノもアリかなあと思います。