

小豆島の醤油蔵巡り
2015-10-14

ワイナリーツアーならぬ醤油蔵巡りをしてきました。所は小豆島。
■ 醤油こそ小豆島の産業では?
知人に醤油蔵巡りの話をしたら、小豆島はオリーブのイメージで醤油のイメージなんか無かったと言われた。それ以前に、何人かの友人に小豆島へ醤油蔵巡りに行かない?と誘っても、誰もピンと来ないようだった。
実は小豆島には、狭い地域に沢山の醤油蔵が残っていて、今もそれぞれ醤油を造り続けているのだ。
多くの蔵では木樽を大事に使っていて、蔵には酵母菌や乳酸菌が住んでいて、蔵を建て替えると味が変わるのでちょっとずづ修理しながら使っているとのこと。蔵へ行くと醤油の香りが充満している。
複数の醸造家が出資して共同で仕込みの前段階の行程をやる会社を作ったりしていて、醸造業であるワインと通じるものがある。
利き醤油もをさせてくれる蔵もあり、もちろん見学もできる。
小豆島は耕地が少ないので、米をよそから買わざるを得なかった。買うためのお金をどうやって工面するか? その答えが醤油だったのだ。得意の海運で、九州などから原料となる小麦や大豆を運んできて、島でとれる塩を使って醤油を造り、船で大阪や京都に運んで売るというビジネスモデルを確立したのだ。
現在は観光・オリーブ・みかんなどの産業もあるが、醤油と、その醤油を使って作る佃煮は今も重要な産業だ。
■ 案外多かった蔵巡り客
私の周囲ではあまりウケなかった醤油蔵巡りだが、実際に行ってみるとかなり多くの人が来ていた。しかも若い。
幹線道路からかなり奥に入った山の麓のヤマロクという蔵にも、次から次と見学者が来ていた。熱心に質問する20代の男性が印象的で、話題は新しい樽で仕込んだもろみのこと。樽は100年・150年と使い続けていて、新樽での仕込み方はその家の記録に残っていなかったとのこと。悩んだ末に、古い樽でできた醤油を新樽に塗りこんでから仕込んだと蔵人(女性)が話していた。舐めさせてもらうと、新樽の醤油は丸みに欠ける感じだった。
1日ではとても全部回りきれなくて、それでも1軒1軒ゆっくり見たり利いたりする暇もなかったことが悔やまれる。機会があればもう少しゆっくりと巡ってみたいものだ。