

「お祭り」感が必要 ~ルクアイーレの不振に思う~
2017-02-01

今朝、ライ麦粉を買うために大阪駅にあるルクアイーレに寄ると、地下2階の食品売り場が閉鎖になっていた。地下1階のバッグと靴のフロアも閉鎖。大阪梅田に4つ目のデパートとして鳴り物入りでオープンした『JR大阪三越伊勢丹』が失敗に終わり、そのあと改装して2015年に『ルクア1100(イーレ)』として再オープンした当初は少し客足が戻ったものの、依然として苦しい営業が続いていたようだ。
地下の2フロア以外にも、他のファッションフロアでもテナントの入れ替えが行われていて、工事の囲いが目立った。
三越伊勢丹をあきらめた時に、運営者側は不振の原因を梅田エリアでの動線が大きいと言っていたが、はたしてそうなのだろうか? だって、グランフロント大阪は現・ルクアイーレの前を通り過ぎて結構長いデッキを歩いて行かないとたどり着けないのに、いつも賑わっている。(但し、モノが売れているかどうかは疑問)
表題にも書いたように、三越伊勢丹の時も、ルクアイーレになってからも、ここには圧倒的にお祭り感が不足していたように思う。
阪急・阪神は定番の強い催し企画を持っていて、上階にある催し物のフロアからのシャワー効果と、年中縁日のような地下の食品売り場がお祭り感を演出している。
大丸梅田店にはポケモンセンターやユニクロ、東急ハンズと、残念ながら百貨店の本体ではないが、それなりの集客装置が揃っている。
グランフロントの場合は北館で次々と魅力的な催しが展開される。
それに比べて、ルクアイーレは、地下食品売り場も他店には及ばないし、お祭りが無い。一定の顧客を集めているのはツタヤくらい。
話しは変わるが、一昨日まで『ヒットの崩壊』柴那典著を読んでいた。この本は音楽業界にメガヒットが生まれなくなった構造を分かりやすく分析している。現在はCDのミリオンセラーなどなかなか生まれないが、フェスやライブは盛況で、アーティストはCDが売れなくてもそっちでやっていけるのだそうだ。
ヒット=CD売上=CDというモノの所有ではなくなっているのだ。モノの所有よりも、フェスやライブというシーンに身を置いて感動や興奮を共有する、非日常の時間を体験する方に人々の志向が移行しているのだそうだ。フェスやライブは、まさに祭りではないか!!
ここのところ、このコラムに書くワインネタに困っている。今日だって、ルクアイーレに残っていたワイン売り場も覗いてみようと思っていたのに、それも叶わなかった。どうもワイン界にも祭りが不足しているように感じる。