

情報はヤラセやシカケとの戦い
2012-01-18

■食べログ、yahoo!知恵袋でのヤラセが問題になっていますが
「口コミをいかに仕掛けるか」は最近の広告業界でかなり重要な
テーマになっています。業者に依頼してユーザーになりすまして
SNSに書くというと、ものすごく悪いことをしているように感
じますが、社員が必死でアクセスして検索エンジンでの出現順を
上げるとか、そういうことは、普通に行われて来ましたし、ちゃ
んとどこそこの者ですと書いて知恵袋等で答えるケースもありま
す。名乗らずに社員がヤラセまでは行かなくても気がついたら書
き込むといった行為は平気でやっているでしょう。
気の毒なのは、サイト自体の信頼性に傷がついた「食べログ」な
どのサイトですよね。
かつて某自治体でグルメイベントをやるために、市民からの推薦
をつのりました。そうすると、お店がお客さんに葉書を配って組
織的に推薦してきたケースがありました。私たち運営者側はそれ
をお店の努力として認め、組織票で上位にランクされたお店をガ
イドブックに掲載しました。
プロ野球のオールスター投票なんかも結構組織票が動くし、もっ
と言えば選挙だって組織票が効きますよね。
ヤラセという言葉があんまり良くないというか、おそらくそれを
仕掛けた人は販促活動の一環としてやったのでしょう。
■ソムリエだって、ファイナンシャルプランナーだって
影響力を持つ人にお金を渡したりして、ブログに書いてもらった
り、推奨してもらったりということは日常茶飯事で行われていま
す。
昨今問題になっている原発にしても、御用学者が云々という話が
良く出てきます。これも一種のヤラセであり、飲食店の評価など
よりもっと深刻な問題だと思います。
世の中ほとんどが情報合戦。売る側はあの手この手でいい情報を
ばらまきます。それに乗っかって買ってみたけど失敗したなんて
経験も多いです。
■公正な情報なんてない
人々は専門家という言葉に弱いけど、専門家の言うことは全部正
しいのか? 公正なのか? というと全然そんなことはありませ
ん。学者だっていろんな学説があるし、1回資格をとってしまっ
たら先生と呼ばれるような職業の場合、よく勉強している人とそ
うでない人では天と地の差があります。
ジャーナリズムもどちらかの立場に偏りがちだし、結局は自分で
判断する他ないと思います。
■飲食店なら一つ言えること・・・
それは、長く続いている店はそれなりに良いということです。
非常に競争が激しく、みんなのサイフも堅くなっている中で飲食
店を存続させるのは大変なことです。ガーっと話題になって列が
できてすごい勢いだったのにあっさり撤退する店がどんなに多い
ことか。
牛丼チェーンだって、あの価格であれだけのものを提供するから
こそ、お値打ちがあるわけです。
■さんざんシカケられてきたワインの世界
1855年パリ万博でのボルドーの格付けに始まり、ワインの世界で
は数々のシカケが成されて来ました。あまりにも沢山の生産者が
いて、種類が多いだけに選択が難しいワインですから、選ぶため
の、選ばれるためのシカケがないと、ビジネスとして成功させる
ことができないのです。
だから、ワインでいろんなシカケがされても、それをヤラセや何
やと騒ぐべきではないと私は思います。
そしてワインであれ何であれ、利用者である私たちはシカケに踊
らされず、良いものを味わい分ける舌や感性を養うことに力を注
ぐべきでしょう。