

定義されていないminéralitéという味
2013-11-11

ワインの味を表現するときによく使う「ミネラルが豊かで」の正体はいったい何なのか? 私は長い間その疑問に取りつかれている。
そして、Terre de Vignesという本の中でminéralitéという単語に遭遇した。この単語は一般的な辞書には載っていない。
そこで、googleにこの単語を放り込んで検索してみたところ、「minéralitéという言葉はよく使われるが、はっきりした定義がない。」とあるドメーヌのサイトに書かれていた。
http://www.chateauloisel.com/etude/mineralite.htm
■ 五味でもなく旨味でもない7番目の味?
甘い・鹹い・酸っぱい・苦い・辛いを仮に五味とするなら、旨味は6番目の味という説があって、旨味という言葉を積極的に使い、グルタミン酸やイノシン酸などが旨味の正体であることを早くから解明して活用してきた日本の食を、海外の料理人も今では認知しているという話は、多くの人が知っている。
これと同じ論法で語るとすれば、minéralitéは7番目の味なのかも知れない。
ただこの7番目の味は、この言葉をよく使うフランスでもまだ曖昧に使われているようだ。もし、minéralitéが解明されているならば、良く使われるが定義がないなどと書かれることは無いはずである。
■ minéralitéは測定不能なのか?
上記のサイトでは、「minéralitéは他の酸味などのように測定できるものではない」というようなことが書かれている。これを書いた人が、どれほど調べた上で「測定不能」と書いたかは不明なので、どこまで信憑性があるかどうかわからない。
しかし、私の直感では、きっといずれは測定できるようになるのではないかと思っている。
■ もしminéralitéがボルドーで多用される価値だったら
minéralitéの不幸?は、この言葉がロワールやアルザスでよく用いられる価値であるところに起因するのではないかと思ってしまう。
もしボルドーでもっと白ワインが優勢ならば、minéralitéに関する研究はもっと進んでいたのではないか?などと思ったりする。