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WISTORY 管理人日記/続・定義されていないminéralitéという味

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続・定義されていないminéralitéという味

2016-10-14

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以前、「定義されていないminéralitéという味」というタイトルでコラムを書いた。1年くらい前だと思っていたら、何と2013年11月だったから、既に3年が経過している。

この間、私はワインに科学的にアプローチした本を探していて、数日前に中を見ずにネットで注文したフランス語の本が到着して驚いた。何と数回コピーしたであろう古い講演録のようなものだったのだ。これでは古すぎる、何とかしなくてはと探して見つけたのが『新しいワインの科学』ジェイミー・グッド著である。

この本にミネラル感について書いてあるページがあった。


■ やはり定義されていないminéralité

著者曰く、科学者はミネラル感という表現を嫌うのだそうだ。それはミネラル(無機物)と関係が無いからだという。さらに、何かの成分が存在するゆえの味というよりは、引き算の結果得られる味を表現しているのではないかというのが一つの見解である。

果実味や甘みが人の味覚に対してアタックして来ない。なるほど、ミネラル感という表現を使う対象のワインはいわゆる果実味や甘み、酸味が乏しい。「果実味(フルーティ)」という表現も誤解を招きやすいなあ。

もう一つの見解は、ミネラルウォーターでカルシウムやマグネシウムが多く含まれたものに感じるような文字通りのミネラルを感じた時にこの言葉を使うというもの。こっちは分かりやすい。

しかし、専門家たちの意見はまちまちで、業界で明確に定義されたものはなく、ワインに含まれる成分との関係性について十分な研究結果も出ていないそうだ。


■ 結局研究不足としか言いようがない

果実味、甘み、酸味が少ないワインがあるとしよう。それって一つ間違えば薄ーいワインで下等品ということになってしまうのに、それでも尚且つ美味しいと感じるのは「何か」があるからに他ならないのに、その「何か」がまだ分からないという事は、研究不足に他ならない。

以前も書いたように、ミネラル感という価値観がボルドーのものならば、きっと既に研究が進んで、正体も分かっていたに違いない・・・と私は感じる。




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