

割高な日本の人件費と山葡萄ワイン
2024-04-16

「わたぬき社長・アパレルの勝算」というYoutubeチャンネルがある。アパレルにおいて、生地代などの材料費は質が同じなら世界どこで作っても変わらないらしい。ファストファッションを支えているのは、安い縫製工賃であって、ベトナムなら時給が200円台で、日本の7~8分の1くらいらしい。今や、中国は人件費が上がって、ベトナムの2.5倍くらいとなり、中国製のアパレルは当然ベトナム製よりも割高になる。
ちなみに、わたぬき社長は縫製業を営む家庭で生まれ育ち、メーカーから縫製賃をたたかれ、安い工賃の海外には太刀打ちできない現実の中で、下請けをやめて、自社ブランド一本に切り替えた方である。
さて、ワインのサイトで何故こんな話を持ち出したかというと、最近行った岩手県で山葡萄を原料としたワインを試しに飲んでみて、たまたまそれは美味しくなかったのだけれど、他の作り手の中には美味しいのがあるかもしれないと思って探すと、どれもかなり値段がお高いという現実を知ったからだ。つまり日本国内で造る限り、日本の労賃が製品に反映されるので高くなってしまう。ヨーロッパなどでは、収穫の季節になるとアフリカ等から安い人件費ですむ労働者がやって来るし、南米などは元々人件費が安い。単純に考えて、同じ質なら絶対に海外のワインの方が安く造れるのである。
どうしても割高になってしまう日本製のワインだけれど、それでもこの価格でこの品質なら許せると感じられる商品も少なくない。そんな中で、先日飲んだ山葡萄のワインは、はっきり言って美味しくなかった。泊まった旅館の酒メニューに入っていなかったのもうなずけた。また、かなり品揃えの豊富なワイン販売サイトでも、山葡萄のワインはあまり品揃えされておらず、メーカーから直接買おうとすると高い送料がかかる。
そんなこんなで、日本ではワインの原材料として許されている山葡萄のワインの実力を把握するには、まだ時間がかかりそうだ。