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WISTORY 管理人日記/地ぶどうの個性はまだまだ活かされていない

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地ぶどうの個性はまだまだ活かされていない

2024-08-07

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筆者はただ今食事制限中のため、ワインの消費量が以前と比べて極めて少なくなっていて、いろんな種類を試す機会が減っています。そんな中でも新しい発見がしたいと思い、ここのところ、珍しい品種で造られたワインをできるだけ選んで飲んでいますが、なかなかコレといった掘り出し物に遭遇しません。

大体、珍しい品種は地域で昔から栽培されてきた「地ぶどう」と呼ばれるようなものが多いです。逆に量産されている品種と言えば、カベルネ・ソービニヨン、ピノ・ノワール。メルロー、シャルドネ等々、古くから銘酒と呼ばれる銘柄に使われてきた品種が、その品種で造れば美味しいワインができるに違いないと世界に広がったり、地ぶどうをも駆逐したりしています。いまだに地ぶどうを栽培し続けているケースは、すごく情報に鈍感か、情報はあっても頑なに地ぶどうにこだわり続けているかのどちらかでしょう。

ここ数カ月に飲んだマイナーな品種は、ススマニエッロ、ムツヴァネ、ルケ、ゴデーリョ、リッポラ・ジャーラ、ヌグラス・ディ・カリアリでした。この中でいいと思ったのは、最後のヌグラス~くらいです。あとのは何か中途半端というか、取り立てて良いとは感じられないものでした。

それはぶどう自体の持つ力の問題なのか? はたまた栽培技術や収穫、その後の醸造技術の問題なのか? 私はそれを結論付ける程のキャリアもないし、実際それらを飲みつくしたわけでも無いのですが、仮設としては少なくともぶどうの実力の占める割合は低いであろうということです。

私やいくらかの飲み手が求めているのは、「ぶどうの個性を活かしつつ洗練されたワインに仕上がっている」というところだと思うのです。

話は変わりますが、兵庫県の姫路に「太市(おおいち)」という筍の産地があります。太市の筍は有名な京都は山城の筍よりも味が濃いのが特徴です。実際この筍を買ってきて調理すると、山城の筍よりもパンチのある味わいになります。山城のは上品でお公家さんの味です。ただ悲しいかな、姫路は姫路城で有名ではあるものの京の都に比べたら田舎なので、せっかく採れた筍を美味しく調理して食べさせてくれる料理屋などが容易く見つかりません。一部の旅館でその季節になると提供はしているようですが・・・。

地ぶどうの方も、この筍の話と同じように、良い素材を持っていても、それを格調高く仕上げようという部分が足りないのではないかなあと感じられます。しかし、その気になりさえすれば、メジャーどころの品種では出せない味わいを創造できる可能性を持っているはずです。頑張って!!




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