
土着と洗練 CATEGORY:その他 2019-11-08 
一杯の蕎麦。
先日、出雲で出雲のお蕎麦を食べた。そして約2週間後の昨日、大阪の美々卯で「かやくそば」を注文して、同じ蕎麦でもこれだけ違うものかとつくづく感じ入ったので、一筆書いてみたいと思う。
■前者は土着、後者は洗練
出雲でお蕎麦を食べた時に思ったのは、どーも出汁はカツオと昆布ではないなあ(アゴだしらしい)。そして、出汁が甘い。総合的にはこれも美味しいけれど、出雲と言う土地の味だと。ちなみにお店は「八雲そば」という有名店だ。
そして、大阪・美々卯では・・・まずテーブルに運ばれて来た時にほわーっと香る出しの香り。これだけで美味しい。そして上にのっかっている具の美しさ。湯葉(黄)、人参(赤)、椎茸(黒)、里芋(白)、金針菜(緑)など、どれを取っても非の打ちどころがなく、色彩も完璧。
この店の七味は山椒の割合が高く、これを少しふりかけていただく。まず出汁をレンゲですくって味わうと、出汁のうまみと山椒の香りが口の中に広がり、それだけで幸せになる。小さな焼き餅も入っていて、ちょっと焦げたその香りもまた味わいに変化をつけてくれる。正に洗練の味だ。
お値段はどちらも900円くらいだったと記憶する。
メニューが異なるので、単純には比較できないが、出雲の方は「香り」の面で訴えて来るものが無かった。一方、美々卯のはもう鼻と舌にこれでもかと訴えてくる(プラス目にも)。
一杯の蕎麦でもこんなにも違うと痛感した。
■ワインにも、土着と洗練が
ワインは基本、すべてが土着(その土地で採れたぶどうで造る)だけれど、完成度・洗練度は様々である。今や、どの場所でも品質は向上していて、それとともに飲んだ時に感じる土着感は薄れていっている。
一方、「香り」(アロマ、ブケ等)にノックアウトされるようなワインは、いまだに希少だと感じる。ネームバリューで高い値のついているブランドはともかくとして、私が日常に飲んでいるような2000円未満のワインで香りでノックアウトされることはほとんど無い。それほど有名ではないワインの場合は、やはり、香りの良いものは値段も高めに設定されていると実感する。が、高いからと言ってすべて香りが良いわけではない。
地ぶどうを大切にしている地域のワインは、割高なことが多く、なかなか手が出ないため、土着らしい土着のワインを私は十分に語ることができない。反面、一見洗練されていると思われがちな有名ブランドのシャンパーニュなどは、案外ダメだと思う。

やっぱり赤の試飲購入は難しい CATEGORY:ワインショップ 2019-10-30 
木の舟皿にのっかったこコレは、フォアグラと茄子の串カツです。(たこ焼きではない)
恒例の阪神大ワイン祭。今回で47回目で640銘柄が試飲できます。いつも行く前にテーマを決めて予習して行くのですが、今年はどんなテーマにしようかと悩んだ末に、「ポスト・ニューワールド」というか、チリ、アルゼンチン、南アフリカの後で実力を発揮し始めた国のワインにスポットをあてることにしました。
スロバキア、ブルガリア、カナダなど。
今年も試飲して見て困ったのが赤ワインです。以前にも書いたんですが、まだ新しいワインが中心なので、樽がこなれていないため、素直に評価するとNGなんですよね。試しに係の人に「今は樽がこなれていないけれど、将来どうなるかは、どうやって判断したらいいですか?」と聞いてみました。返事は全然質問に答えていなくて、「あと10年位持ちますよ」とのこと。
ぶっちゃけ、樽のきつい赤ワインを先を見越して買うのはバクチもいいとこです。20種類くらい試飲する銘柄をピックアップしていて、結局合格は半分くらいで、○印は1本、◎印は2本という感じで購入しました。他のお客さんでカゴに買うワインを入れてる人も10本以上買っている人が多かったですね。

ラグビーとワイン その② CATEGORY:その他 2019-10-15 
ワインもラグビーも大英帝国パワーを感じると前回書いたところです。
私も10月3日に神戸でアイルランド対ロシア戦を観戦してきました。新聞でも紹介されていましたが、ラグビー観戦の際はワインではなくて、何と言ってもビールでしたね。三宮から地下鉄で競技場のある御崎公園まで行くのですが、アイルランドのオッチャン達は三宮から既にビールを飲んでいたり、ポケットに缶ビールをつっこんでいました。また、キックオフまでの時間も、ずーっとビールを飲んでいます。
この試合はご存知の通りアイルランドのワンサイドゲーム。これ以外でもワンサイドゲームが多すぎますよね。日本対スコットランドのような手に汗握る試合が少ないのは残念です。
そしてそして、ベスト8に残ったうち、大英帝国の息がかかっていないのは日本とフランスだけ。というのも、ワインとラグビーと言う今回のテーマにぴったりです。もちろん日本チームにも、リーチ・マイケルさん他、元々大英帝国の息のかかった国から日本代表を選択した人たちが沢山いらっしゃいます。
アイルランドを撃破し、本家スコットランドを決勝トーナメントに行かせない(スコットランドには屈辱の)大健闘を演じた日本チームは本当に素晴らしい。ワインの国フランスチームにも決勝トーナメントで頑張って欲しいですね。

ラグビーとワイン CATEGORY:その他 2019-09-25 
ラグビーワールドカップ2019、楽しんでおられますか? 私もできるだけテレビ中継を見るようにしているのですが、いやー、イギリス発祥とはいえ、イギリスの息のかかった国が圧倒的に強いですね。
かつての大英帝国の偉大さをここでも思い知るとは・・・。
ワインも大英帝国の経済力によって発展してきたというか、英国が沢山買ってくれると言う部分がワインに与えた影響は大きいですね。
かのボルドーも12世紀から15世紀までイングランドの支配下にあり、生産されるワインの約半分はイギリスへと運ばれていました。また、イギリス領だった南アフリカで造られるワインも、今でもその多くがイギリスに輸出されており、日本に入ってきている南ア産ワインなんてほんの一握りです。
最近ではイギリス本土でのワイン生産が増えつつあるようですが、元々自国ではできないワインを大量に輸入していたのがイギリスです。
ファーイーストの日本は、何かにつけてユニーク。そんな日本でラグビーやワインを楽しむのも良いのですが、一方で自国の歴史や文化を日本人自身がもっとよく理解する努力をすべきだと痛感します。

フォーエバー21とソニア・リキエルの破産 CATEGORY:その他 2019-08-29 
ファッションの話ですが、「フォーエバー21」が破産申請をしたとのニュースが入って来ました。たまたま同日、私がデパートでソニア・リキエルの売り場を探していると、見つからなくて、店の方に聞いたら、もう無くなったとのこと。念のため代理店であるオンワードに電話をしたら、7月上旬にブランドが終了したとのことでした。ソニア・リキエルの方も身売り先を探したのに見つからず、多額の赤字を残して破産したようです。
フォーエバーの方はファスト・ファッションの世界で一大ブームを起こしましたが、私の目から見ると、あまりにも粗雑な商品だし、露出度のやたら高いデザインが多くて、殆どお世話にならずじまいでした。
ソニアの方も別にそれほどお世話になったわけではありませんが、現代女性の日常生活にフィットしたカジュアルなデザインに好感が持てました。ソニアさん本人については、少し魔法使いっぽい(失礼!)風貌が印象的でしたね。また、衛星中継が始まった頃に、東京とパリを衛星で結んだ特番があり、そこに出演しておられたのを憶えています。当時日本では女性問題で首相が辞任し、その話題になったときに、パリ側では「女性問題なんて気にしていたらフランスでは大統領になり手が無いわ」と発言されたのが印象に残っています。この発言がソニアさんだったか否かまでは記憶していません。
どんな業界でも栄枯盛衰があるのは当たり前で、そんな中で永くブランドを維持し続けているところは、やはりそれなりに各方面で妥当な努力をしておられるということですね。①ブランディング、②顧客ニーズの取り込み、③出店や販路の政策、④価格及びコスト管理等々、そうしたことをセオリーに従いつつも革新も加えてきっちりとやっていかなければ持続は難しいものですね。
ワインも永くトップを走り続けるブランドもあれば、新進のブランドもあれば、一時のブームが終焉したものもありますね。良心的で優良なワインには、変に変わって欲しくないというのが、顧客としての願いです。 |