日本語 English Hello. Login

WISTORY

WISTORY is Useful Tool for Wine-Lovers!

WISTORY Master's Voice WISTORY wine database INDEX

管理人コラム

日記デザイン

偉大なるカベルネ

CATEGORY:ワインの成り立ち

2013-01-16

写真


■ サンテミリオンでもアッパークラスにカベルネの力

サンテミリオンと言えばメルロー主体というのが常識である。
それは、サンテミリオンという地域のほとんどが、石灰岩の岩盤の上に粘土が堆積した地層で、メルローがその土壌を好むからというのが大雑把な説明となる。ほかに、サンテミリオンが内陸部にあり、海に近いメドックなどよりも平均気温が低いという理由もある。

しかし、サンテミリオンのプルミエ・グラン・クリュAにランク付
けされるシャトーの場合は、メルローの割合が比較的低いのが共通点となっている。

 ●Château Cheval Blanc M42%、CF58%

 ●Château Ausone M50%、CF50%

 ●Château Angelus M50%、CF47%、CS3%

 ●Château Pavie M60%、CF30%、CS10%


これを見ると、やはりカベルネの力が大きいと思いたくなる。

■ 熟成により呼び起される香りの重要性

ああ何て素晴らしく、うっとりするような、奥行きのある香りか・・・。と感じられる赤ワインは、カベルネ抜きではあり得な
い。(メルローだけでは無理)今のところ私はそう思う。
確かにメルローは、というか、メルロー主体の口当たりの優しいサンテミリオンのワインは、舌に優しくふくよかである。

しかし、香りは乏しいので、その分、物足りなさが残ってしま
う。当WISTORYの10点採点で、8点・9点をつけるのは難しい。香りさえもっと豊かなら8点なのにというワインは本当に多いのだ。

■ 両刃の剣 タンニン

タンニンというのは、言わずと知れた抗酸化物質だから、ワインを長期間熟成させたり保存するのに大きな役割を担っている。
しかし、えぐ味や渋味を感じさせてワインの味を乱す原因にもなりがちだ。

よく出くわすのが、あのボルドーの高級ワインの主原料であるカベルネ・ソーヴィニオンで造りましたというのを売りにしている渋いワイン。CSで造ればそれでいいというものではないことを私たちに教えてくれる。

長期熟成するうちにタンニンがこなれ(詳しいことはまだ不勉強です)、他の諸条件もあいまって、飲み口も柔らかで素晴らしい香りを発散するカベルネ主体のワインが出来上がるのだが、収穫から2年や3年ではいどうぞというケースも多く、当然いい状態で口に入ったとは言い難い。さらに、長期熟成後でもダメなものもある。

■ ある程度高くても仕方ない長期熟成高品質ボルドー

であるから、本当に美味な10年、15年、20年とかを経たボルドーは、長い時間をかけてカベルネの本当の良さを引き出したという点で、またそれが易しいことではないという点で、そうではない銘柄とは価格的にも区別されて当然ということができるんだなと思う。



日記デザイン

ファミリー・クリスマス

CATEGORY:ワインショップ

2012-12-26

写真


クリスマスのスーパーでは、発泡酒がエンド棚を賑わしていました。

何か微笑ましいですね。(ワイン通から見るとつまらないかも知れませんが・・・)

知人とクリスマスの話をしていたら、ターキーや鶏の丸焼きじゃなくて、から揚げ?とか言ってましたから、ごく一般的なファミリークリスマスなら、こんな感じでいいんじゃないかと思います。

ディスプレイにも力が入っていますね。よーく見るとKIRINと書いてあるから、KIRINさんが頑張ってやったのでしょう。
※ここは地域一番スーパーですから・・・



日記デザイン

2012年12月10日現在 点数の分布

CATEGORY:データ分析

2012-12-10

写真


最も多いのは「7点台」である。「6点台」と「7点台」を足すと77%に達する。

WISTORYでは6点以上が合格点だから、合格のワインがやけに多いじゃないかということになるのだが、それは実際に買う前、または飲む前に何らかのフィルターを経ているからだ。

試飲してから買うと、合格点以上のものしか買わないし、然るべき方のセレクションによってレストラン等で飲むと、そのセレクターの方のフィルターを通過したものだけになるから、こういう結果になっている。

「5点台」以下がついているものは、試飲しないで買ったものが中心だろう。

こうして見ると、「8点」以上というのは相当美味しい、期待の膨らむワインということになる。ただ、人によっては点数の付け方が甘めだったりするので、ブレはあるだろう。

自分でも点数をつけていて、ものすごく悩む。何の迷いもなく8点以上をつけられる場合は多いが、7点にしようか8点にしようかと悩むこともある。7.5点とかが欲しいと思うことも多いがそこは割り切ることにしよう。



日記デザイン

ワインと土壌の謎2 silex

CATEGORY:ワインの科学

2014-06-12

写真


■ 石灰岩・マール・シレックス

サンセールの土壌について読んでいます。その結果、サンセールの土質は、石灰岩(calcaire)とマール(marne 石灰岩質泥灰岩ともいう)とシレックス(silex)のいずれかということだ。

ワインの味との関係を簡単に言うと、
 石灰岩: さわやか
 マール: 力強さ
 シレックス: キリッとしたミネラル感
ということらしい。

通常、サンセールの造り手たちは、複数の場所に畑を持っていて、区画ごとに醸造し、瓶詰めの前にブレンドすると書かれていた(実際には単一区画の製品もあるが・・・)。
つまり、各土壌(土質)から生まれるワインの特徴を生かしつつ、弱い部分をカバーして全体のバランスをとるためにブレンドするということだ。

ここで一番わからないのがシレックスである。そもそもシレックスとは何なのか? それはチャートという二酸化ケイ素を主成分とする石。二酸化ケイ素の結晶といえば石英だ。ただこのシレックスにはそれ以外の成分、例えば鉄とかアルミとかナトリウムとか、もっと希少な元素も含まれているようだ。ならば、シレックスはどうやってできたのか? これももう一つはっきりしないが、珪藻類のようなケイ酸化合物の殻を持つ生物(図)が繁殖した結果できたとの説が有力。というのも、かの石灰岩も、貝類や動物の骨などからできたもだし、その上の層にシレックスが重なっているというのであれば、同じように生物説が有力になる。二酸化ケイ素は地殻の成分として元々あるけれど、もしマグマが覆いかぶさったとしたら、シレックスのような組成では済まない…ということなのだろう。


■ サンセールとシャブリ

シャブリは少し離れているけれど、ブルゴーニュに分類される。しかし、実際はサンセールとシャブリは土壌的に似ているようだ。ロワール川をはさんで、サンセールは南側、シャブリは北側だから、一旦海で分かれて、再度寄せ集まることで現在のフランスができるまでは、2つの地域は大きく離れていた。ただ、同じような時代の同じような地層が両側にあると考えたらいいだろう。

シャブリではシャルドネが栽培され、サンセールではソーヴィニヨン・ブランが栽培されているので、よく似た土壌のぶどう品種違いということになる。

シャブリは生牡蠣との相性で有名になりすぎて、ずいぶん昔にパリのカフェで牡蠣など貝の盛り合わせを注文していざワインを選ぼうとした時、シャブリがあまりに高いので、覚えのあったサンセールをたのんだ。半額ぐらいだった。サンセールも牡蠣に合うじゃん!と思った。


■ シレックスをことさら強調する風潮

適度なコクとシャープなキレ…といってもどの程度が適度なのかは好みの分かれるところだろう。「うちのテロワールはシレックス」と強調しているドメーヌでも、何か甘くて重いワインもある。

どうもシレックスと書いた方が売れるらしく、やたらとシレックスという文字が目立つ今日この頃。まあ、シレックスはいいと思うけど、それだけでは判断がつかないので要注意だと思う。

あと、シレックスに含まれる何がキレなりミネラル感に直結しているのかをハッキリと言及した文献には出会えていない。ほんとにストレスがたまる・・・。



日記デザイン

ボージョレーとガメイのお話

CATEGORY:ワインの成り立ち

2012-11-29

写真


恒例のボージョレー・ヌーボ騒ぎもあっという間に終わり、お店には売れ残った商品がまだ並んでいますね。私は飲んでません。
いつもどこかの飲み屋でサービスで出してくれるのを飲むくらいです。

さて、ボージョレーといえばガメイという品種で造られているわけですが・・・。

■ 繁殖力旺盛なガメイ

ガメイという品種は、繁殖力が強く、育てやすく、特にボージョレーの気候や土壌に合っていたようです。そのため、栽培する人
にとっては楽な品種だったのですね。

しかし、ガメイは美味しいワインを生む品種とは言い難く、結局は経済的に造れる早飲みワインなのです。

■ ガメイ禁止令も効かなかったらしい

1395年、時の王フェリペⅡ世はガメイの栽培を禁止し、ピノ・ノワールやシャルドネに切り替えるよう命令を下したそうです。つまり、その頃既にガメイで造るワインはイマイチで高く売れなかったので、領地でできるワインの付加価値を上げようというのは、トップに立つ人間としては当然の考えだったと思われます。

ところが、マコンは命令が効いたのですが、ボージョレーには通用しなかったそうです。それほどに育てやすかったのと、本当の
ところは知りませんが、大体中心部から遠く離れるほど御上の命令は徹底しないものです。

■ ヌーボーは傑出したプロモーション

フランス人のプロモーションアイデアの素晴らしさには頭が下がります。ヌーボーもその一つ。ま、「新米フェア」とかと同じなんですが、このおかげで安物ワインのボージョレーが多く人々の知るところとなったのです。

けど、ヌーボーだけでなく、そもそも1855年パリ万博の時の格付けだって素晴らしいプロモーションだし、シャルドネだけで造ったシャンパーニュをブラン・ドゥ・ブランと呼んで特別扱いするのも上手い!

ってことで、仕掛けに乗るなら乗る、乗らないぞと突っ張るなら突っ張る。どっちもアリかなあと思います。

■ ボージョレー地区にも10個のグラン・クリュ

ガメイであっても、個性のあるいいワインもあり、それらはいずれもボージョレーの谷から丘に登ったところに存在し、土質が異なるらしいです。ムーラナヴァンなどがそれです。

(写真はフェリペⅡ世の肖像)



TITLE INDEX



2013-01-16
偉大なるカベルネ


2012-12-26
ファミリー・クリスマス


2012-12-10
2012年12月10日現在 点数の分布


2014-06-12
ワインと土壌の謎2 silex


2012-11-29
ボージョレーとガメイのお話


2012-11-15
阪神の大ワイン祭り


2012-11-13
イオンのワイン売り場 その②


2012-11-02
イオンのワイン売り場 その①


2012-10-26
wine-searcher.com その2


2012-10-23
すき焼きにロゼ・・・おすすめです



CATEGORY INDEX



ワインの成り立ち (17)


造り手・ワイナリー (8)


ワインと料理 (15)


ワインの科学 (9)


ワインショップ (27)


ワイン周辺ツール (4)


レストラン/ワインバー (19)


本・テレビ (33)


データ分析 (19)


ワイン以外のお酒 (6)


その他 (116)


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55



Rules to Use Guidelines to Use Privacy Policy

Copyright(C) WISTORY