
I Love Pinotage. カテゴリー:その他 2016-09-26 
何かの記事で南アフリカのピノタージュがいいよ、というのを読んだ。何の記事だったかは不明です。
それがひっかかっていて、ピノタージュのワインを少し飲んで見たら、なかなか良かったので、ピノタージュについて少し調べてみた。
英語版のウィキによると、ピノタージュという品種が生まれたのは1925年という事になっているが、実際にワインが造られたのは1941年で、商用として広く植えられるのはもっと後。
■ 酷評されてきたピノタージュ
南アフリカなので、主たる買主はイギリス人だった。そして彼らはピノタージュの事を「錆びた釘」など、悪い言葉で酷評したらしい。
言い遅れたが、ピノタージュはピノノワールとサンソーの交配によって生まれた品種だ。当時の南アフリカではサンソーの事をエルミタージュと呼んでいたため、ピノノワールの「ピノ」とエルミタージュの「タージュ」をつなげて「ピノタージュ」と命名されたようだ。
酷評のために、南アフリカでも世界的に名の通ったシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンを積極的に栽培し、ピノタージュは脇に追いやられていたようだ。
■ どこが錆びた釘やねん?
まだ少ししか飲んでいないので、偉そうな事は言えないのだが、私が飲んだピノタージュは全然錆びてなんかいなかった。とても華やかで果実味があり、かといって軽薄でもなく、上々の出来だった。
錆びたと評される原因は、おそらく酸とタンニンが喧嘩していて、そこへ持って来て樽の使い方が下手くそな結果ではないかと思う。なるほど1940年代・50年代であれば、南アフリカにおけるワイン醸造の環境が良好でなかった可能性も高いので、そういう結果になったんじゃないかと思う。
しかし今や、良い環境で、技術的な情報も豊かになったから、ピノタージュから素晴らしいワインができても不思議はない。
■ 軽くなった料理に合う軽快さ
加えて現代の(フランス)料理は軽くなっている。そんな料理には重たいワインよりも軽快なワインの方が合う。もちろんカベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドーのしっかりとした複雑な味わいのワインは美味だ。でも日常生活の中でボルドーのグラン・ヴァンに合う食事など、普通の人はしないワケで、ましてや日本人ならピノタージュの方がフィットするんじゃないかと思う。
是非一度お試しください。

とと姉ちゃんを見て思った「評価」のこと カテゴリー:その他 2016-09-09 
NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」では、商品テストの影響力にかかわるところが、かなり時間をかけて描かれている。商品テストで評価が低かった企業は窮地に陥るのだから、生半可なテストや評価はしてはならない。劇中の「あなたの暮らし出版」は広告を一切とらず、テストに使う商品も自社のお金で買って行っている。
現在は、多くの雑誌社やマスコミは広告主寄りで、有料パブリシティというお金(広告費)をとって記事のように紙面を作ることすらやっている。
はっきりと数字で表せるような性能の違いですら、自動車の燃費問題で話題になったように、決まったルールに従ってテストをやっていなかった企業がボロボロと出てくるなど、本当にテスト・評価というものは多くの問題を包含している。とはいえ、自動車の燃費競争などはかなりのハイレベルな争いであって、今ドラマで描かれている粗悪品が出回っていた頃とは事情はちがうだろう。
最近で言えば、中国製などの衣料や装身具、日用品には粗悪なものが再び多くなっていて、すぐ壊れて返品することも多くなったので、再び商品テストが必要かも知れない。
さてワインである。
ワインを点数で表現するのも、賛否がある。実際、某有名な批評家や権威あるレポートがつける点数で、一躍表舞台に躍り出る銘柄も少なくない。一方、思いのほか評価が低くて縮小する銘柄もある。
点数のつけ方も、いろんな方法が考えられる。沢山の角度、例えば、香り・濃度の適当さ・味わい・個性などなどを個々に評価して合計点を出すという方法もあるだろうし、ざっくりと5点満点くらいでマークする方法もあるだろう。しかし、ワインは嗜好性が強いし、飲まれるシチュエーションによっても感じ方が違うなど、非常に評価しにくい性質のものだ。
近年の日本のワイン市場には、安くて美味しいワインがかなり増えてきた。とはいえ、いまだに「よくこんなワイン売るよね!」と言いたくなるような粗悪?なワインも売っているし、「このレベルでこの値段はボッタクリ」という銘柄もあると私は思っている。粗悪な・・・というのは、明らかに味のバランスがバラバラだったり、あまりに水っぽくてシャバシャバだったりというシロモノである。そういうものは、朝ドラじゃないけれど、悪い評価になっても仕方がないし、良いものをつくる努力をして欲しい。
一方、あるレベル以上のものは、嗜好と飲まれる条件(温度なども含む)によって感じ方・評価に多少のバラツキが出て当然。ただ、ワインはこれ程多種があるのだから、感じたことを記録しておくための手段の一つとして、点をつけることをお許し願いたいと思う。

「キンチョーの夏」じゃないけれど・・・ カテゴリー:ワインと料理 2016-07-22 
ヨーロッパに比べて高温多湿な日本。近年は温暖化と省エネで日本の夏の高温多湿度合いがさらに高まっている。
先日3日間四国に遊びに行き、宿泊先での飲み物の最初はやっぱり冷たいビールが最高に美味しかった。
そして昨日ワイン売り場で見かけたのが、「氷旗」のような「冷えたワインあります」という旗。いーですね。思わず買いたくなる。日本の夏にピッタリです。ワインの売り方もこなれてきたなあと感じるのであります。
元々ワインは西洋やら中東のもので、日本のように蒸し暑いところで飲まれていたわけじゃない。キンキンに冷やした○○の価値なんて、ヨーロッパの人には分からないでしょう。
このたびの旅行では和食に合うワインというのも実感しました。和食に合うというのと、家のご飯に合うというのは別物ですね。個人差はあると思いますが、家のご飯(料理)などというものは和食のようで和食でない。薄味に調理されたまともな和食には、上品であまり主張しないワインが合うんですねえ。

シャンパンデザート カテゴリー:レストラン/ワインバー 2016-07-07 
最近何処へ行ってもパンケーキだらけで、食傷気味だったところ、テレビでこのシャンパンデザートが紹介されていたので早速行ってきました。
場所は、大阪市西区南堀江1丁目。地下鉄の四ツ橋駅から徒歩5分くらいのところにあります。
お店の名前は「ラ・エゴイスト」です。
シャンパングラスに、ソルベやコンフィチュールが積み重なったのが出てきて、そこにシャンパンを注いで食べるという趣向です。
この季節にピッタリですね。まあ、ぐちゃっと混ぜて食べるので、シャンパーニュを味わうというものではありませんが、一度は味わってみる価値ありです。

プロモーション上手なヴーヴクリコ カテゴリー:造り手・ワイナリー 2016-06-23 
何気なく通過したデパートのワイン売り場でものすごくインパクトのあるディスプレイが目に入ってきた。今年のヴーヴクリコの限定ギフトボックスが面白い。
矢印形の黄色い缶に世界中の都市名が表示され、全部で29種類あるらしい。おまけに、ランスからその都市までの距離も表示されている。ちなみに日本の都市はTOKYOとKYOTOの2都市。中国はHONGKONGとSHANGHAIの2都市、アメリカは7都市だったりするのだが、この数はきっと同ブランドの輸出先としてのパワーを示しているのだろう。
ともかくヴーヴクリコにしても、その他のいくつかのシャンパーニュのビッグブランドにしても、プロモーション巧者だ。ただでさえ限定パッケージに弱い私は、いつもそそられるのだが、買ったことは無い。
今年のデザインは、どちらかとういうとアメリカン・ポップ・インテリアにもすんなり馴染むところが注目ポイントかも知れない。シャンパーニュというどちらかといえばツンとすました商品を、ポップでカジュアルにしてしまったのだから。
世の中全体のファッションがカジュアル化しているのだから、その時流に乗るのは正解だと思う。 |