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管理人コラム

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香りを表す言葉

カテゴリー:その他

2016-05-26

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アロマとかブケとか、その辺のワインに関係する香りを表す言葉を正確に使えない。難し過ぎる。日本語は「香り/薫り」とか「匂い」という言葉があり、この二つはどちらかというと好感を持って使われ、「臭い」は不快な場合に使われる。さて香りにまつわる外国語はどう使い分けたらいいのだろう?

■ nez (フランス語での発音は ネ である)
この言葉は、日本のソムリエさんたちはほとんど使わないように感じる。ワインといえばアロマとブケですものね。
Le Goût des cépagesという本の中でしばしば登場する。鼻とか嗅覚という意味もあるが、ワインの香味(アロマとブケ)をさし、ワインを嗅ぎ分ける人の事もnezというようだ。
広義でのニオイを指す単語のようである。

■ arôme
日本語に訳すと芳香という言葉が当たっている。一般的には好ましい香りがアロマである。

ワインの世界では、ぶどうそのものに由来する香り(第一アロマ)と発酵段階で生まれる香り(第二アロマ)をアロマといい、樽内や瓶内で熟成して生まれる香り(第三アロマ)をブケという……というのが一般的なようだ。しかし、ブケの部分も第三アロマと書いたように、一般的に言うアロマ(好ましい香り)のひとつである。。
ちなみに、『ロワイヤル仏和辞典』には第一アロマ=アロマで、第二・第三アロマ=ブケという書き方になっていて、どっちが正しいのか? どなたか事情を知っている方がいらっしゃれば教えてください。

■ bouquet
アロマのところで書いた通り。ワインの世界で用いられる特殊な専門用語である。

■ flavor
ところがちょっと待った!! 科学的にはフレーバーとパフュームいう対比が存在する。『香料化学入門』(培風館)という本の中では、口から入って鼻腔で感じられる香りをフレーバー、吸気とともに鼻腔に入って感じる香水・化粧品などの香りをパフュームと分類している。

■ parfume
フレーバーのところで書いた通り。しかし、Le Goût des cépagesという本の中にはparfumeも登場する。化粧品じゃないのに…。辞書では芳香・香水という日本語があてられているので、アロマと同様に好感の持てる香りのニュアンスで使われているようだ。

◇ ワインと香り
ワインを楽しむ時には、まず口に含む前に鼻から香りを吸い込んで香りを楽しむので、これはどちらかというとパフューム的だ。その後ワインを口に含んで口の中でころがすと口から鼻腔に香りが上がってきて再度香りを感じる(フレーバー)。
私が常々感じるのは、最初に鼻から吸って感じる香りと、口から鼻腔に抜ける香りの印象が異なるということである。
外来語をあいまいに使っても間違っていたら意味が無いので、私はしばしば「最初鼻に感じる香りは云々」と書くことが多い。その中にはアロマもあればブケもあるという事になる。
ちなみに『香料化学入門』によれば、フレーバーはパフュームよりも敏感に感じる、つまり、ほんの少ししか溶け込んでいなくてもフレーバーなら人間は感じられるとのことなので、口に含むと香りの印象が変わるのは、単に舌で感じる味があるためだけでなく、嗅いだだけでは感じなかった香りが口に含むと感じられるようになるのかも知れない。


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ワインのフレーバー化学

カテゴリー:ワインの科学

2016-05-10

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ワインについて化学的にアプローチした本を読みたいと思い、ずっと探している。以前一冊見つけてフランスに発注をかけたら、品切れで再版の予定もないとのこと。ネット上で論文的なものを探したりしているが、語学の壁があって…。一つ見つけたものは“Aroma-Optimierung bei Sauvignon blanc”という表題で、ドイツ語だったので読みかけて断念した。

今回ネット上で発見したのは、アカデミー・デュ・ヴァンのコラムで、「創立20周年記念連続セミナー 第9回 富永敬俊氏『フレイヴァー・ケミストリーがもたらすワイン造りの革命』」である。

2008年の講演なので随分古いが、当時でもまだワインのフレーバーについての化学的研究は入口のレベルで、この中でもソーヴィニヨン・ブランに関する研究が最も進んでいると書いてあった。上記のドイツ語のもSBである。

相当難しい話なので、詳しくは講演録のサイトをお読みいただきたい。

興味のある点をピックアップしてみよう。


■ 5つの香り成分

講演では次の5つの香り成分が紹介されていた。
 ① 3-メルカプトヘキサノール(3MH) グレープフルーツ
 ② 3-メルカプトヘキシルアセテート(3MHA) パッションフルーツ
 ③ メトキシピラジン(MP) 青ピーマン(IBMP)
 ④ フュランメタンチオール(2FM) 焙煎コーヒー
 ⑤ ヴィニルガイアルコール(VG) クローヴ(スモーキー)

よくグレープフルーツのような…と形容するのは①の成分が本当に含まれているのだそうで、パッションフルーツもしかり…という寸法である。


■ アロマティック品種と非アロマティック品種

ぶどう品種には果汁自体がすでに香りを持っているアロマティック品種(例えばミュスカ)と、果汁の香りとワインの香りが異なる非アロマティック品種(例えばSBとかセミヨン)がある。
そして非アロマティック品種の果汁には発酵段階で香りに変化する「前駆体物質=プレカーサー」が含まれていることがわかったそうです。


■ プレカーサーを豊富にして香りのよいワインを造る

プレカーサーが特定できたら、その濃度が高くなったタイミングで収穫すれば、香りの豊かなワインができるというワケ。実際には複数あるプレカーサーがそれぞれ異なる動きをするので、数日に1回濃度を測定してタイミングを計る必要があるようだ。

また、栄養分と渇水のストレスもプレカーサーの量に影響するらしい。(酸の量にも影響)

いろいろあるぶどう品種の独特の香りのプレカーサーは、2008年の時点ではまだ十分に特定されていない。なので、自由にハンドリングするには、まだ時間がかかりそう。


■ 経験やコンサルの見解と科学的検証の一致性は?

実は経験で言われていたことが必ずしも当たっているとは限らないようだ。もちろん、消費者の好みの変化などもあるから、正解は一つではない。ただ、これらの研究が進めば、味はいいけど香りが乏しいからちょっとね!というワインを減らすことができそうだ。

実は、一つ前に書いたシュナン・ブランの香りについてもっと知りたかったのだが、それについてはまだ良い文献を見つけられていない。


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シュナン・ブランを飲む

カテゴリー:その他

2016-05-06

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恒例のゴールデンウイークに催される「阪神大ワイン祭」で、今回の私のテーマは「シュナン・ブラン」と「バルベラ」だった。

まず、いつもの分厚いリストをめくりながら目的のワインに印を付けたわけだが、800種類以上もあるというのに、2種類のセパージュのワインの少ないこと。あまり少ないので、あとで辛口のリースリングもプラスした。それでも少ない。

そして、試飲してみると、コレというものが殆んどなかった。

まずは、あのちょびっとの試飲では十分に分からないので、どうしても濃い目のものしか合格にならなかったような気がする。ライトなものでもそれなりの量を口に含めば違っていたかも知れない。私はまだ、あのちょびっとの量で利き分けられる域に到達していないようだ。

結局買ったのは、南アフリカのシュナン・ブラン1種類と、元のテーマから外れた日本産のデラウエアで造った白ワイン1種類になってしまった。

過去にも何種類かのシュナン・ブランを飲んできたが玉石混交。シュナン・ブラン独特の香りと味をどう表現したらいいんだろうとネットであれこれ検索したら「松脂のような・・・」という表現で言い表されている。確かに、シャルドネともソーヴィニヨン・ブランとも違う独特のクセがシュナン・ブランの魅力だと再認識した。

辻調グループCompitumのサイトに「セパージュを飲む」というコラムがある。
http://compitum.net/col_rec/index.html
その中のシュナン・ブランの記事では、南アフリカのシュナン・ブランは他の品種とミックスしている場合が多いので本来の味は楽しめないという風に書いてあったが、今回飲んだBoschendal Rachelsfontein Chenin Blancは100%シュナン・ブランで、ストレートにその個性が出ている。
価格も1500円以下とリーズナブル。


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鹿児島の焼酎ロックは分量たっぷり

カテゴリー:その他

2016-04-14

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またワイン以外の話で恐縮です。
週末に鹿児島へ行ってきました。目的は薩摩焼の探索でした。

宿は指宿でとったのですが、名前はホテルでもその実は旅館だろうと思い、旅館の会席料理なんか食べたくないので、夕食は外食にすることにしました。最初、リストランテ・フェニーチェで地元食材のイタリアンをと思い予約を入れたら当日は結婚披露宴のためNG。駅前のイタリアンを覗いたら今日は19時からと言われて近くの居酒屋に入りました。実はイタリアンの前にちょいと一杯のつもりでした。

ホタルイカの沖漬けなど数品を頼んで、焼酎を飲むことにしたんですが、まあ、見た事のないラベルが沢山並んでいてどれを注文したらいいか分かりません。店の人にお勧めを聞いて最初は「薩摩の薫 純黒」のお湯割りに。

あまり芋っぽくないので、もっと芋っぽいのをということで二杯目は「南風の薫」をロックで頼んだら、ロックグラスになみなみと入っていてビックリポン! 都会のロックの倍以上入ってる感じ。

結局イタリアンに行く前にしっかり酔っぱらってしまう羽目に。

鹿児島県には100以上の焼酎メーカーがあるらしいので、やはり現地に行って飲み比べるのが一番良さそうです。(今回は主目的ではなかったので、いつか焼酎メインの旅をしたいです)


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映画「ザ・トゥルー・コスト」を見て

カテゴリー:本・テレビ

2016-04-07

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ワインと関係のない話で恐縮です。

「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」を昨日見ました。ファストファッションといえば、ユニクロ、H&M、ZARA等々のことです。

以前ここで、『ワインで考えるグローバリゼーション』の話をしましたが、こちらはファッションのグローバリゼーションです。大量に安く生産した商品を全世界で販売するビジネスモデル。おかげで、Tシャツなんてものを買おうとすると、ファストファッションに頼らざるを得なくなり、丁度ユニクロもその時期売っていなかったりするとTシャツが買えないなんてこともあるし、ジーンズショップなどというものは街からどんどん姿を消してしまいました。

■ 以前から気になっていた・・・フリースは何処へ行ったの?

ユニクロが大量に売りさばいたフリース。しかしそれを着ている人を当初からあまり見かけないし、まあ部屋着として着ていたにしても、近所のコンビニあたりで見かけてもいいようなものを、殆ど見ることが無い。あのフリースは何処へ行ってしまったのか私はずっと不思議に思っていました。ちなみに私はユニクロからフリースが発売される以前に結構お高い値段で買ったアニエスbのフリースを今も愛用しています。

以前事務所で100円ショップの話をしていた時、経理をしてくれている女性が、スリッパとかは100円ショップで買ってくたびれたらすぐに買い替えると言っていました。要は使い捨てですね。

ニトリなんかもびっくりするほど安い家具を売っていますが、あれを愛用している人の一部は、飽きたら総入れ替えするらしいです。家具の使い捨てですね。

ことごと作用に、商品が安くなると、それらは消耗品になるのです(これは映画の中でも言っていました)。「いいものを長く」という考え方の真逆であります。ファストファッションは大量の衣料ゴミを出しているのです。

■ いったい誰が得をして誰が損をしているのか?

映画の中でも一つの大きなテーマとなっていました。得をしているのは、チェーンの経営者であることは確実です。下請けで縫製などをしている会社の経営者も少しは得をしたかも知れないけど、価格競争が激しくて暗い表情をしていました。もちろん末端で働く人たちは職を得て給料ももらえるわけですが、映画で取り上げられていたバングラデシュでは、労働組合もなく、低賃金で働き続けているとのこと。

安く衣料が買えるようになった消費者は、映画の論調によれば一次的には得をしているけど、回りまわって貧しくなっていると。つまり、衣料マーケット自体が金額的に縮小し、衣料に関係していた会社・店・人は撤退や縮小を余儀なくされます。すると、それらの人々が今まで使えていたお金が使えなくなり、他の産業にまで影響してくるというワケです。

■ 二極化が顕著な衣料マーケット

「ただの無地のセーターならユニクロでいいじゃん!」
私だってそう思います。なのに高級ブランドも無地のセーターを売り続けていましたね。しかし、一昨年あたりから様相が変わりました。生地やデザインで差別化しないと、ファストファッションに勝ち目はないと悟り、最近はやたらと凝った生地を使った商品が目立つようになりました。が、ちょっと凝り過ぎではないでしょうか?

衣料品というのは、糸や生地は比較的自由にハンドリングできるし、デザインも簡単に変えられるので、二極化が激しいですね。

ワインは一朝一夕には行かなかったのですが、新世界と言われた産地の安いワインもかなり品質が向上してきたので、確実に二極化の道を歩んでいますね。タンクローリーでスペインから運ばれてきたバルクワインをフランス人が怒って垂れ流している写真を最近見ましたが、苦しい抵抗ですね。

価格競争は消耗戦であり、どこかで下げ止まらないとやっていけないものです。そのきっかけは、事故などの不幸な出来事や、騒乱、あるいは政治的なガイドラインなどが想定できます。今、シリア問題に注目が集まっていますが、低賃金で劣悪な環境で働いている縫製工たちも爆弾になるかも知れません。

「富の配分」の是正は、本当に今重大な課題です。

■ 適正価格とは?

ファストファッションが出てくる前から私は時々考えていました。

綿を育てて摘んで、糸にして、織って、染めて、服に仕立ててシャツが1万円なら仕方ないかと。当時は、糸にして以降は日本国内で作っていました。それが今や1990円とかですからね。いかに大量生産して効率よく作ったとしても、各段階で働く人たちの工賃がかなり安くないとそうはいかないはずです。

もちろんその国は(例えばバングラデシュ)物価も安いでしょう。けれど自国で作っていなものを買ったり、お医者さんにかかったりするには、賃金とはけた違いのお金がかかるのではないでしょうか? ちゃんとそこそこの輸入品が買えてお医者さんにもかかれるだけの賃金を払って可能な商品価格が適正価格であるべきですよね。

いや、コストをたたいて安く供給してこそ賢いビジネス、と経営学者やコンサルは言うでしょう。ともかく私は消費者として、安易な安物買いの使い捨てはしないように心がけようと思います。


タイトルINDEX



2016-05-26
香りを表す言葉


2016-05-10
ワインのフレーバー化学


2016-05-06
シュナン・ブランを飲む


2016-04-14
鹿児島の焼酎ロックは分量たっぷり


2016-04-07
映画「ザ・トゥルー・コスト」を見て


2016-03-25
セルフかカウンセリングか? どっちがいい?


2016-03-08
土筆といかなご


2016-02-18
ワインと茶とイギリスと


2016-02-03
『ワインで考えるグローバリゼーション』を読んだ


2016-01-25
「試(こころみ)」というコンセプトの日本酒バー



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