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管理人コラム

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土壌とワインの謎

カテゴリー:ワインの科学

2013-11-21

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うちの畑の土壌は、シレックスと石灰岩質です・・・などと紹介されるのをよく目にしますが、だからどうなの?というのがイマイチ分からない。

一方、ミネラル感って何なの?というのもあってややこしい。

アルザスに関する記述を読んでいると、リースリングほどテロワールをダイレクトに反映するものは無い……とのことです。同一の品種をある程度気象条件が一定の場所で土壌だけ変えて栽培し、そのぶどうから同じ製法でワインを造った結果がどうなるかを比較すれば、違いは明確になるわけです。

どうもそれを実際に試みた地域がアルザスで、この地域に適合した品種がリースリング。けれど、ワインの味や香りに関する記述が不十分なので(と私は感じたので)結局のところ土壌の質とできたワインの結果の関係は曖昧なままであります。

■ 火山岩と非火山岩

土は無機物と有機物で構成されています。無機物は要は石や岩が砕けたもので、有機物は動物や植物が腐ったなれの果てであります。

石や岩の元は、大きく分けると火山岩と非火山岩になるのではと思います。火山岩というのはマグマが固まったもので、テロワールでよく登場するのは花崗岩です。非火山岩の代表は石灰岩で、貝殻や動物の骨が蓄積してできたものです。

■ 植物が育つ栄養の素

よーく考えてみると、土は結局、植物(ぶどう)が育つ栄養の素。土がというか、土から溶け出すイオンや成分がということかも知れません。アルカリ土、酸性土などというもの、植物が育つのにどっちを好むかという話で、アルカリ土なら何でもいいというわけではないでしょう。

植物が育つには、まず根・枝・茎が伸びること、そして葉が育つこと。葉が育って光合成をして自らも栄養をつくり、その力で根・枝・茎などをさらに成長させ、花を咲かせて実を結び、そしてその実を美味しくする。(根菜なら根を美味しくする)
こうした営みの中で、ぶどうの場合は結果的に実が魅力的な味や香りになるということが求められるわけです。

■ 微量栄養としてのミネラル

植物の栄養と言えば、よく窒素・リン酸・カリと言われます。一方、ぶどう園の土壌で出てくるのは、石灰岩・石膏・花崗岩・シレックス(石英)・泥灰岩で、それらを構成する成分にカリウムは含まれますが、窒素やリン酸は含まれません。
むしろ、カルシウム・シリカ・マグネシウム・硫黄・鉄などが主な成分です。しかし、これらミネラルと言われる成分も生物の営みに欠かせない微量栄養なのです(人間もそうです)。

生物の中で行われるいろいろな合成作用に関与していたり、黒ぶどうの果皮に鉄分が含まれるように、直接組織を構成するのに必要だったりするわけですね。

そう考えたら、土壌の違いによって、リースリングの実の味や香りが違ってくるであろうこと、そして、こっちの畑にあって、あっちの畑にない成分、例えば石膏のある畑と無い畑では、硫黄の量がものすごく違うであろうことが分かってきます。

続きはまたあらためて・・・。


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定義されていないminéralitéという味

カテゴリー:ワインの科学

2013-11-11

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ワインの味を表現するときによく使う「ミネラルが豊かで」の正体はいったい何なのか? 私は長い間その疑問に取りつかれている。

そして、Terre de Vignesという本の中でminéralitéという単語に遭遇した。この単語は一般的な辞書には載っていない。

そこで、googleにこの単語を放り込んで検索してみたところ、「minéralitéという言葉はよく使われるが、はっきりした定義がない。」とあるドメーヌのサイトに書かれていた。

http://www.chateauloisel.com/etude/mineralite.htm

■ 五味でもなく旨味でもない7番目の味?

甘い・鹹い・酸っぱい・苦い・辛いを仮に五味とするなら、旨味は6番目の味という説があって、旨味という言葉を積極的に使い、グルタミン酸やイノシン酸などが旨味の正体であることを早くから解明して活用してきた日本の食を、海外の料理人も今では認知しているという話は、多くの人が知っている。

これと同じ論法で語るとすれば、minéralitéは7番目の味なのかも知れない。

ただこの7番目の味は、この言葉をよく使うフランスでもまだ曖昧に使われているようだ。もし、minéralitéが解明されているならば、良く使われるが定義がないなどと書かれることは無いはずである。

■ minéralitéは測定不能なのか?

上記のサイトでは、「minéralitéは他の酸味などのように測定できるものではない」というようなことが書かれている。これを書いた人が、どれほど調べた上で「測定不能」と書いたかは不明なので、どこまで信憑性があるかどうかわからない。

しかし、私の直感では、きっといずれは測定できるようになるのではないかと思っている。

■ もしminéralitéがボルドーで多用される価値だったら

minéralitéの不幸?は、この言葉がロワールやアルザスでよく用いられる価値であるところに起因するのではないかと思ってしまう。
もしボルドーでもっと白ワインが優勢ならば、minéralitéに関する研究はもっと進んでいたのではないか?などと思ったりする。


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Saint-Amourのマーケティング

カテゴリー:その他

2013-11-01

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サンタムール(Saint-Amour)は、ボージョレのクリュのひとつで、その名前が「聖なる愛」という意味になるため、独特なマーケティングが展開されているそうです。

まず、早飲みに仕上げられたサンタムールは、バレンタインデーに多くが消費されるとか。ラベルにはキューピットが描かれることが多いそうです。日本ではチョコレートがあまりにも華々しいために隠れた存在ですねえ。

また、結婚披露宴にも欠かせない存在で、この場合は、早飲みではなくて、保存がきくようにタンニンをしっかり効かせたものを使うらしいです。

ちなみに、Amorさんという名前の兵士がこの地で聖職者になり、ワイン造りに寄与したために、Saint-Amourになったそうです。


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隠岐の藻塩米

カテゴリー:その他

2013-10-17

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TVで『隠岐の藻塩米』というのを見ました。何でも、藻塩というのは、製塩の際に藻を用いて、何回も藻の上に海水をかけては乾かし、作った塩だそうです。

隠岐の藻塩米は、水田にごく薄い藻塩を混ぜた水を散布して米を栽培しているとのこと。そして島の土壌は第三紀の火山岩質から成るため、海のミネラルと山のミネラルの両方が生かされて、ミネラル分の豊かな美味しい米ができるらしいです。

今まで米についてあまり深く味わい比べたことがなかったですし、米とミネラルなんて、想像したこともなかったのですが、ぶどうと同じく、ミネラルは米の味にも当然影響するのですね。


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何だかなあ? 阪急のワインフェア

カテゴリー:ワインショップ

2013-10-01

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今日が最終日ということで、筋肉痛で思い足を引きずって行ってきました。

9階催し場までエレベータに乗り、でも9階で降りる人は少ない。フロアも閑散としている。人気がないのかしら?


■ 広範囲な世界のワインを品ぞろえ


ワインと言えば、フランス、イタリア、スペイン、ドイツあたりをイメージするし、大概の場合それらが中心なのですが、今回は、南アフリカ、チリ、アメリカ、グルジア、オーストラリアなど、広い範囲の品ぞろえになっていました。


各ブースのうたい文句も、イマイチよくわからない。現在のワイン事情が曲がり角なのか、企画に問題があるのか。


■ 消極的な売り手


しつこくアプローチされるのも困りものですが、そっけないのもね。
とりあえず主旨がよくわからないので、並んでいる瓶を眺めていても、お店の人はあまり声をかけてこない。慣れていないのか?


たまに声をかけられると「どういうのがお好みですか?」と聞かれる。試しに「香りのいいモノ」とオーダーして進めてくれたシラーのワインは、ぜんぜん香りが良くない。

オーストラリアの泡はまあまあだったが、値段が4000円台。それならシャンパーニュを買うよね!

造り手について聞いてもピンとくる返事が返って来ない。いったい誰をターゲットにしているのでしょう?


■ もしかしてワイン酒場が原因か?


最近増えたワイン酒場。安いワインで気軽に一杯やれるお店である。
そういう店で品ぞろえしているワインは、小売りで1500円以下くらいのものが中心であり、ワインを楽しむというよりは会話を楽しむときのお供がワインという感じなので、あまり品質は重視されない。


一般市民が小売店で買うワインも日常用ならそんなに高いものは無理だ。そんなわけで、値段が安くて味はそこそこというワインが多い。

このフェアでも安いワインが中心で、試飲できるメリットはあっても、品ぞろえはつまらない。


このような催しも、少し考え直した方がいいのではないかと感じてしまった。


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2013-11-21
土壌とワインの謎


2013-11-11
定義されていないminéralitéという味


2013-11-01
Saint-Amourのマーケティング


2013-10-17
隠岐の藻塩米


2013-10-01
何だかなあ? 阪急のワインフェア


2013-09-02
古いワイン本の選別 「ブルゴーニュ ~ブルゴーニュワインの決定版ガイド~」


2013-09-01
古いワイン本の選別11 「ボルドー 1961年以降生産されたワインの決定版ガイド」


2013-08-12
古いワイン本の選別10 「ワインの話」


2013-08-09
古いワイン本の選別9 「オズ・クラークのポケット・ワインブック」


2013-07-25
古いワイン本の選別8 「ワイン通が嫌われる理由」



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