
一見豊かなようでその実、失われる多様性 カテゴリー:その他 2017-03-30 
今朝のニュース番組で「ソメイヨシノの危機」が扱われていた。ソメイヨシノの寿命は60年程度、最も美しいのは40年目くらいだという。戦後植えられたソメイヨシノの多くがもう末期にあること。そして、ソメイヨシノは病気に弱いらしい。
ソメイヨシノは葉が出るまえにたわわな花をぎっしりと咲かせるところが魅力で、戦後の日本の桜文化のトップランナーとなった。ソメイヨシノはすべてクローンといってよく、同じ遺伝子を持っているのに、それが日本の桜の何と8割くらいを占めるというから、物凄い偏重である。皆が好むからそればっかしになった実例といえる。
同じ性質を持つソメイヨシノたちの間で一旦病気が流行ると、あっという間に蔓延するので、最近新しく植えられる桜はソメイヨシノを避けているというのだ。
この話題の結びにコメンテーターの方が、「やはり多様性が大事だ」と発言なさっていたが、私もそう思う。
■ あちこちにあるソメイヨシノ的現象
人気があるからとか、好都合だからという理由で、従来はあった多様性が失われて、同じような物ばかりになるという傾向は何も桜だけの現象ではない。
トマトにおける桃太郎もその一つ。実全体がピンクっぽい赤になり、トマト臭さがなくて、日持ちもいいこの品種はもう数十年もトマト市場の中核にいる。私はこの桃太郎が嫌いなので、ほとんどトマトを自分で買うことが無くなってしまった。本来私はトマトが大好きで、毎日1個食べるくらいだったのに、私の好きなトマトらしいトマトは日本では売っていない。
八朔や三宝柑といった色の黄色い柑橘類もめっきり減ってしまった。形は三宝柑に似ていてもオレンジ色で味も全然違う不知火(デコポン)が店頭にあふれている。私は黄色い柑橘類の方が好きで、デコポンを自分のお金で買う事はない。
昨日ある中華料理店に行ったら、メニューの数が異様に少ない。効率を重視するあまり、極端に絞り込まれている。土曜日のランチを友達としようと思い、いわゆるランチメニューだけしか扱っていない店でなく、ディナー並に料理を選べる店を探すのに、20軒くらい電話しまくったことがある。
ビジネスとしては人気のあるものに単純化するのが賢い。ただ最近はそれが行き過ぎて、選択肢が極めて限定されることによって、楽しさとか満足度はシュリンクして行っている。こんなにもモノや店が溢れているにも関わらず、その中身は案外貧弱だと思う。
■ ワインも同じか?
ワイン売り場にも沢山の銘柄が並んでいて、一見バラエティに富んでいるように見える。今日も「何か個性的なのが欲しい」とリクエストしたら、結局そういう視点で品揃えしていないから無いという。多くの人が好むもの、最大公約数的なものを品揃えしている。産地造り手によって多少の違いはあるものの、物凄く狭い。
造り手の間では人気商品の物まねではなくて、その地の地ぶどうを復活させるなど、独自性を重視する動きもあるが、あくまでそれはマイノリティに過ぎないという現実を実感した。
もっともっと品ぞろえに多様性を持たせた方が、売る方も買う方も楽しみが増えるのにと思うのは、間違っているのだろうか??

糖度計を買ってみた カテゴリー:ワインの科学 2017-03-21 
甘いの酸っぱいの言っても、人間の舌なんていい加減なもの。ということで、糖度計を買ってみた。amazonで2000円台で買える。ちなみに酸度を計るにはそんな安いツールは無いようだ。
屈折率から糖度を割り出す仕組みで、よくテレビなどで、トマトや果物の甘さを農家の人がこれを使って示したりしているので見た事のある人は多いはず。
プレパラートとなっているガラス面にスポイドで1~2滴ワインをたらして蓋をし、レンズをのぞいたら目盛が見えて、そこに示される仕組みだ。
今まで4種類ほどのワインで試してみたら、低いもので7度、髙いもので8.5度だった。自分の舌で感じるのと比べると、7度と8度は明らかに違う。でも8度と8.5度の違いはわからなかった。
ついでにある日食べたグレープフルーツも試してみたら、それはかなり甘いと感じたのだけれど、12度だった。
味を客観化するという意味で、1本持っておいてもいいのでは?

落ち着いてワインも飲めやしない カテゴリー:その他 2017-03-06 
楽しく晴れ晴れとワインを飲みたいのに、世の中騒がしく、個人的にもやっかいなアクシデントに見舞われて落ち着きません。あーー。
トランプショック、キム・ジョンナム氏の暗殺、森友学園とやらの国有地大幅値引き問題、そして、三越伊勢丹HDの社長交代。
百貨店業界は業界自体が難しい状況にあり、インバウンドでちょっと錯覚していたら急に熱が冷めて・・・とのことだが、三越伊勢丹はJR大阪駅でも失敗に終わり数フロアを残してルクアイーレに変わっていました。そして、三越伊勢丹時代を色濃く残していた地下2階の食品売り場が先日クローズになりました。
まあ大阪駅周辺(梅田)では三越伊勢丹が4つめの百貨店ということもあり、当初から「4つも百貨店はいらないのでは?」と言われていました。ワイン売り場はまあ頑張っていて、有料の試飲コーナーもあったのですが、いざこんなワインはないかと尋ねても、かなり品ぞろえに偏りがあって、ほとんどここで買ったことがなかったですね。
ワインだけでなく、その他の食品も、変に高級志向な割には、特に魅力的なものは無く、デイリーなパン売り場などは貧弱で、肉屋もタンなどは扱っていないし、やっぱし東京的な物差しと大阪ではフィットしないのだろうかと感じたりしました。
インバウンドという視点でいうと、奈良を思い出します。平城遷都1300年のイベントのころに、奈良の人は大仏があったら食っていけると思っている・・・などという噂を聞いたものです。でも当時は修学旅行にも陰りが見え、何とかしないとヤバイと思う奈良市民も増えていたようです。しかし今、奈良は外国人観光客でいっぱいです。大仏さんのおかげ。今はウハウハのはず。もっとインバウンドを増やすためにホテルを建てたいという話も聞かれます。さあ、いつまで続くか、奈良のインバウンド景気。
内外とも落ち着かない日本では、自動車や家電も様子見で、経済が停滞していて、キラリと光る光明が見えてこない気がします。ぱーっと景気が良くならないと、楽しくワインが飲めないなあ。

dマガジンで『ワイン王国』を読む カテゴリー:本・テレビ 2017-02-08 
ファッション雑誌などを買わなくなってどれくらいになるだろう? もう10年くらいかなあ? でも時々美容室で読むと結構楽しい。
タブレット端末デビューはもう6年くらい前で、タブレットで雑誌を読むのもいいかな?と思ったものの、なかなかコンテンツが揃わないし、案外高いしということで、雑誌読まない生活が続いていた。
そしたら、「dマガジン1ヵ月無料お試し」のキャンペーン広告がネットの画面に表れて、雑誌の数も多いので、試してみることにした。「d」がつくからNTTドコモの提供するサービスで、ドコモの端末を使っていなくても利用可能。私はたまたま、dポイントのポインコファンで、dポイントカードを持っていたので、そのアカウントで使用できた。今日でお試し利用開始3日目である。
昨日、『ワイン王国』もコンテンツに入っているのを発見し、タブレットで読んでいる。iPad miniなので若干画面が小さいが、拡大したりしながら、何とか読める。ファッション誌、経済誌、タウン誌など幅広くラインナップされていて、有料期間になっても月額読み放題400円だから、リーズナブルだ。バックナンバーを保管して何回も遡って見ることはできないが、たいてい置いていても2度・3度と読む事なんてないし、自分にとってはこれで十分だ。
『ワイン王国』3月号の特集は、ボルドーのセカンド。主なところは1ページ1ブランドで紹介されている。しかし、最早セカンドとは言えないような高価なセカンドの多いこと。
一方、昨日ネットのニュースで、アマゾンのアンリミテッド(読み放題)のタイトルが急に消えたという話題が扱われていた。ユーザーは月額980円。アマゾンは読まれた数分をまとめて出版社に支払うという契約をしているらしいが、読まれ過ぎてお金が払えなくなりそうになり、それまで読めていたタイトルを消さざるを得なくなったとか。なので、dマガジンにも同じような事が起こるかもしれない。
いくら、印刷物にするための紙代や印刷代がいらなくて、小売店のマージンもいらないといっても、読み放題で数百円と言うのは安すぎるかも。ともあれ、今の所はお得だと思うので、使って見ては?

今日は何本巻き寿司が売れるんだろ? カテゴリー:その他 2017-02-03 
今朝の新聞折り込みには、スーパー各店がチラシを入れていた。どれもメインは巻き寿司。実は2~3日前にもスーパーのチラシが巻き寿司メインで入った。それは「恵方巻き」の予約を促すチラシ。どの店も1本1000円以上のリッチな太巻きを前面に打ち出していた。でも今日のチラシは、600円台などやや低価格のものがメインだった。
元々大阪の一部で行われていた節分のしきたりが、1998年にセブンイレブンによって全国展開されたことで、全国に広がったらしい。ウィキの記述がどこまで信頼できるか知らないが、1998年に至るまでも、何とかこの風習を担いでお金儲けをしようと、色んな団体やチェーン店がプロモーションを試みていたようだ。
さて、私は兵庫県に住んでいて大阪文化圏の片隅ではあるけれど、この風習を知らなかった。セブンイレブンが打ち出す前にも、ローカルのテレビ番組で取り上げられることがあって、「へえ、大阪には節分にそんな事をするエリアがあるんだなあ。」と遠巻きに見ていた感じ。大阪でも南の方の一部で粛々と行われていたようだ。
先ほどファミマに立ち寄ったら、おにぎりなどの棚に、巻き寿司がズラリと並んでいた。コンビニ、スーパー、百貨店、お寿司屋さん・・・今日はどこもかしこも巻き寿司だらけだ。去年の節分の日、帰宅時にデパートの横を通ったら、行列をつくって巻き寿司を買い求める風景が見られた。具のバラエティは年々豊かになり、値段も高いものが増えている。これが終わったら、明日からはバレンタインのチョコレートが主役になることだろう。
巻き寿司君やチョコ君に比べて、ワイン君は地味だなあ。ボージョレ・ヌーボも一時ほどの盛り上がりが無いしねえ。何かネタが欲しい所ですね。 |
タイトルINDEX
2017-03-30 一見豊かなようでその実、失われる多様性
2017-03-21 糖度計を買ってみた
2017-03-06 落ち着いてワインも飲めやしない
2017-02-08 dマガジンで『ワイン王国』を読む
2017-02-03 今日は何本巻き寿司が売れるんだろ?
2017-02-01 「お祭り」感が必要 ~ルクアイーレの不振に思う~
2017-01-10 えべっさん
2016-12-27 店のポリシー
2016-12-19 そこまでやるか? OKO-wine
2016-12-16 プーチンさんの接待のお酒
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